何年も、身を粉にして時間を捧げてきた会社から突然の勧告。
「ふざけるな!何だったんだ俺の会社人生は」
「こんなに頑張ってきたのに、なんなんだ!この仕打は!」
「なんて冷たい会社なんだ。。。こんなに尽くしてきたのに」
「家族になんて言えばいいんだ・・・・・」
突然の発信に驚きと失望と怒りと、そしてやるせなさが入り混じり
混乱してしまうのは仕方がないかもしれません。
私自身も、そのメールを見た瞬間に
恐らく椅子から3センチは浮き上がったと思います。
私の場合は、「ラッキー」という感動だったのですが・・・
まずは、冷静になって会社から提示された条件等をしっかり確認しましょう。
そして、自分自身の状況把握や棚卸しが必要になってきます。
その辺りを少しお話しさせてください。
早期優遇退職制度とは
会社の経営立て直しや事業転換を行うに辺り、行われる制度が早期優遇退職制度になります。その退職にあたっては、会社都合になるケースが多く、失業給付金をすぐに受け取ることができますし、再就職支援などを会社が用意する場合もあります。
従業員の主体的なキャリア選択を後押しして、人事制度の中に恒常的に導入されるケースもみられます。
なので、ある程度の年齢や立場になった時に、自ら選択して名乗り出ることができる制度になっている企業も存在します。
ただのリストラ施策ではない、ということを理解しましょう。
メリット
簡単にメリットとデメリットを整理しておきます。
メリットとしては、
1.割増退職金が受け取れる。
2.健康で体力がある内に自由な時間が手に入る。
3.就職活動をしやすい。
1.割増退職金が受け取れる。
早期退職する方には、通常の定年で退職する場合より、割増された退職金が支払われます。この割増分は「特別損失」という名目で支払われ、割増分の相場は、年収の2倍程度と言われています。
2.健康で体力がある内に自由な時間が手に入る。
定年退職の60歳から定年延長した65歳で退職するよりも、若くて体力がある内に自由な時間が手に入ることで、仕事をするにしても、今までやれなかった趣味の時間を持つにしても、選択の幅が広くなります。
人生100年時代ですから、今までの人生を振り返り、2周目の人生を考え直すとても良い機会と時間になります。
3.就職活動をしやすい。
自らキャリアを選択した形になるので、次に再就職する企業からも前向きなポジティブに受け取られやすくなります。また、会社都合退職になるので、失業保険をすぐに受給でき、その受給期間が長いこともメリットになります。
デメリット
デメリットとしては、
1.再就職先がすぐに決まる保証はない。
2.再就職後の収入が減る可能性がある。
3.年金受給が減る可能性がある。
1.再就職先がすぐに決まる保証はない。
会社から再就職の支援を受けられるケースが多いですが、年齢によっては、再就職がすぐに決まる保証はありません。50歳を超えると、書類選考で通過するのが1割程度。更に面接で採用される確率も決して高いわけではありません。
とはいえ、長くサラリーマン経験があれば「ポータブルスキル」と呼ばれる能力をお持ちのはずなので、粘り強く取組めば問題ありません。
2.再就職後の収入が減る可能性がある。
今まで長年働いてきた会社から支給されていたお給料が目減りする可能性も当然あります。逆にそのスキルを買ってくれて、給料が増えるケースもあります。そこは、スキルと売り込み方とその受け入れる企業とのマッチングなのでなんとも言えません。
3.年金受給が減る可能性がある。
老齢年金の受給額は現役時代の賃金水準で変わって来ます。年金を未来始めるまでの平均給料と加入月数によって決定するため、離職期間が生じると年金の総支給額も減額する可能性があります。
メリットとデメリットを踏まえて、まずは今の状況や家族との話し合いをしてみることが重要です。